廃屋1


家に女が入ってきた
別の扉から男が入ってきた

黙ったまま男が服を脱いだ
女も脱いだ
女の右手が男の下腹に触れた

くすんだ硝子窓のむこうに街がけむっている
男の指が女の乳首をつまんだ
くぐもった声
女に男が入ってきた

ふたつのからだが汚れた床の上で
海のようにうねって…やがて静まった
遠く豆がはぜるような銃声が聞こえる

黙ったまま男が服を着た
女も着た

家から男が出ていった
別の扉から女が出ていった


作者
谷川俊太郎

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