音楽


穏やかに頷いて
アンダンテが終わる
二つの和音はつかの間の訪問者
意味の届かない遠方から来て
またそこへ帰って行く

幻のようにか細い糸の端で
蜘蛛が風に揺れている
それを見つめているうちに
フィナーレが始まる
最後の静けさを先取りして

考えていたことすべてが
時の洞穴に吸いこまれ
人はなすすべもなく生きている
せせらぎのように清らかに今
世界を愛して


作者
谷川俊太郎

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